この隔ては姉のいびきと寝相の悪さからの被害防止のためだった。

しかし、本当はもう一つ理由がある。

姉は弟が年頃で色々と複雑な時期だっていうのに平気で領域に入ってくる。

捕まえられたときに背後から香る甘い臭いと女性特有の膨らみが俺から睡魔をさらっていく。

俺の体を囲う腕は意外と強くて離せない。
この人は俺がどんな感情を抱いているのか知らない。
一生気づかないだろうし、気づかせない。

姉の腕の中でなんとか自分の体を反転させる。
見上げるとそこには穏やかに眠る姉の寝顔。

近づけばキス出来そうな距離だ。
そう、結局こうなってしまうから境界線がいる。
今のところ、全敗。

ああ、もう。姉ちゃんが悪いんだ。




そう思いながら俺は間抜けに開いた姉の唇に自分の唇を口づけた。




境界線をこえろ