1.キス・キス・キス!
足りない。
一回、二回、じゃ足りない。
彼女が苦しいと胸を押してきても俺はキスをやめない。
「…んっ」
合間に聞こえる彼女の吐息が俺の理性を崩していく。
「な…中津!タンマ…ッ…」
「わりぃ、とまんねぇ」
2.意地っ張りの上手な甘え方
「どうしたの、智」
「別に」
「何かあった?」
「別に」
「…態度悪い」
「だってそれが俺だし」
「…ふふ、そうだね」
3.いつも見てましたずっと見てました
「中津、芦屋がどこにいるか知らねぇ?」
「瑞稀なら視聴室だと思うけど」
「おう、サンキュ」
「中津、芦屋どこ行ったのかな」
「…部屋だと思うけど」
「中津…」
「瑞稀はトイレ!てかなんで俺に聞くんだよ!?
佐野に聞いた方が一発だろ!」
「…いやその佐野から芦屋の居場所は中津に聞けって言われたんだけど…」
「はあ!?」
「…芦屋の居場所なら中津に聞けば確実だって言ってたけど…いや今の発言で確信したわ…」
「どこが」
「…トイレに行くところまで見てんのはヤバイって、お前…」
「……」
「なあ、萱島。最近?いやずっと前からなんだけど。…誰かに見られている気がするんだけど」
「…お祓いしようか?」
「え!?俺、何かにとりつかれてんの!?」
「…うん、すっごい厄介なのに…」
4.ジェットコースターロマンス(エンドレス)
何回好きと言っても足りない。
君の高いカナリアのような声が。
あなたの低いベースのような声が。
たまらなく愛しい。
また声が聞きたい。
また声が聞きたいの。
5.コイビト>トモダチ(恋愛至上主義)
みんなの前では友達。
二人きりになったら。
いつかルームメイトに彼女が出来たら二人きりのときはすっごい甘えてくるんじゃないかと言ってたくせに;。
それは思いっきりお前じゃないかって言ってやりたかった。
「…中津、近い」
「恋人なんだから近くて当たり前だろ」
「…中津、本が読めないんだけど」
「瑞稀は俺のこと嫌いなのかよ?」
「…いや好きだけど。今は本が読みた…」
ひょい、と持っていた本を取られてしまった。
だけど俺には取り返す気力もなかった。
「…はあ、わかったよ」
「わかればよろしい」
あきらめた俺に彼はぎゅう、と抱きついてきた。
…なんだかんだで弱いよなぁ。
6.一生分のキスをください
「……」
スタートしてしまうと彼は止まらない。
息苦しかったりすることもあるけど、その不器用なキスが好きだ。
「…えっと、もう少ししていいか?」
受けている私より息が荒くなって顔を真っ赤にしている彼に私はこくりと頷いた。
7.男は狼なのよ、気を付けなさい
ベッドって寝ているところだろ?
そこに寝ていて何が悪いんだよ。
だけど彼は私が悪いって言う。
気づいたら服が脱がされていて、下に着ていたタンクトップも捲り上げられて胸も露にされた。
周囲のスピードについていけなかった私は呆然とするしかなかった。
そんな私を見て、彼は私の胸元にかぷりと噛み付いたのだった。
+
家族とはいえ、勝手に部屋に入るのも悪いと思ってノックはした。
だけど返事がなかったから。
用事だけ済ませようとそっと中に入った。
彼は眠っていて、起こさないように床に散らばった洗濯予定の服を回収しようとすれば。
眠っているはずの彼に腕を掴まれてベッドに倒されてしまった。
彼の顔を見れば、目が合った。
「…寝てたんじゃないの?」
「狸寝入りだよ、バーカ」
8.デンジャラスビューティー
「おい、佐野ー。シャン…」
「ほい」
誰かがシャンプーを借りに来ることをわかっていたのか瑞稀は俺が部屋に入るなりそれを渡してきた。
「サンキュ…っ!?」
「どうした?中津」
俺は瑞稀の格好を見ていつもの発作が起きた。
いや俺に限らず、こんな無謀な格好見たら誰だってドキドキするもんだろ。
俺は瑞稀から目線を逸らしたまま口を開く。
「…あのさ…なんでタンクトップなんだよ」
「ん?いやだって今日、めっちゃ暑いじゃん」
「せめてお前、ブラジャーくらいつけろって…」
ちらちらと見える胸元がやけに眩しい。
俺の目線の先に気づいた瑞稀は俺を睨んでくる。
「…小さいって思っただろ」
「はあ!?」
「……俺だってそれなりに気にしてんだけど、はあ…」
彼女は勘違いしたまま、無防備に胸を寄せたりしてしていた。
もしかして佐野の前でも日々こんなことしたりしているのだろうか。
羨ましいと思うがそれ以上に彼が気の毒になったのだった。
9.不埒な駄犬を躾ける術
「ちくしょう!」
「どうしたの?猛」
「翔の奴、智と手を組んできやがった!」
「一時休戦ってやつだよ。癪だけどあのときはあいつと同じ気持ちだったから」
「……」
「なに、猛」
「…いや、お前も大変だなって」
10.PM5:00、公園噴水前にて
別にデートってわけじゃないけど。
だけど公園の噴水前が待ち合わせとか定番じゃねぇか。
だからちょっと期待してしまう。
残念ながら俺もあいつもそれっぽい格好じゃなく普段の格好だけど。
俺と彼女の隣を正真正銘のカップルが横切った。
ちらっとつい視線がいってしまう。
その視線に気づいた彼女が悪戯を考え付いた笑みを浮かべて、
「ねぇ、智。あたしたちも手でも繋ごうか?」
「ぶっ!…はっ…なんで」
「なんかそれっぽく見られたい気分だから」
「…気分かよ…」