Prisoner Of Love




恋愛に間違いなんて、基準なんて、誰も決められない。

だけど少なくともこの方法は間違っていると自分でも思っている。

ならどうしろっていうんだ?

初めて死んでもいいって思えるくらい欲しいものが出来てしまったんだよ。

きっと君にとって俺が誰より恐い存在になること分かってる。


それでもいいんだ。


君が少しでも俺の気持ちを分かってくれるなら―





床に散らばる水風船のような袋の数。
袋から零れた液体の色は白くて。
白は白でもコンクリートと混ざりこんだように醜い色だった。

彼女の手首には縛られたという証の赤い跡。

肌蹴た胸元には所有物だと証明するための赤い跡。

そしてスカートの影から流れて出た赤い液体は、“女”になった証。



「………。」

「…大丈夫?野ブタ?」

できるだけの優しい声で彼女に声をかけても彼女は怯えていて自分の方を見なかった。

当然の反応だと思う。

でも今の自分は歪みに歪んでいて自分の方を見ない彼女が許せなかった。


半ば強引に彼女の腕を取って、体を壁に押し付けた。


「俺を…見ろよ。」


いつものふざけた言葉遣いなんて何一つない、ただの男の声だった。


「………。」


彼女が何かを言おうとしている。

きっと彼の名前だ。

そんなの許さない。

もう君は―


「俺のものになったんだから、俺しか見ちゃ駄目だよ?」


そう言ってもきっと君の目には彼を含めて色んなものが目に入るんだろう。


「…あ、きら…?」


彼女のスカートを再び上げて、下を曝け出す。


「…っ!?」


体内にあてがわれたのは人口的な冷たさじゃない“生きている”モノ。


「いくら言葉で伝えても駄目なんだ、あいつと違って俺は不器用だから。」













『 簡単なことだ。

 元から彼は自分以上におかしい部分がちょっとあったから。

 だから。

 明日になったらまた元に戻ってる。

 きっと体に残った白さも溶ける。

 そう信じるしかないから― 』



君はきっとそう思ってただろうね。

でも、もう無理なんだ。

君を絶対手に入れてみせるって決めたから。






放課後、屋上に三人揃って次は何する?あれする?とか色んな雑談して、
そしてそれぞれ帰っていく―はずだった。


「野ブタ。」


彼女の腕を取る。


『 恐い。
  恐いけど、拒めない。拒んじゃいけない。
  だって拒んでしまったから。 』


そう、拒んじゃいけないよ。

君はもう俺のものなんだから。



「修二く〜ん、悪いんだけど先に帰ってちょ。野ブタとこっそりシークレットなお話したいんだっちゃ。」

「あ、そう。じゃあお二人ともごゆっくり。」


俺の親友は俺が彼女に恋していることを知っている。
だから持ち前の気遣いさで優しい声を出している。


「しゅ、う…。」

彼女が助けを求めようと。

俺は当然許すはずもなく、求めようとした手をあっさりと彼女の背中にやった。


「野ブタ、そいつが変なことしようとしたらすぐ殴れよ。」

「う、うん…。」


じゃあな、と一言言って彼は去っていく。

もう彼女は助けを失った。


俺はそのことに喜んで笑う。



彼女の首筋を弱く噛む。


「…野ブタ……。」

俺の熱を秘めた声に彼女の全身が震え上がる。

俺は彼女の耳元でくすりと笑った。

「そんなにー…恐がらないで。俺もね?昨日は初めてだったからー、ちょっと無理させちゃった。」


『 そんなに力を籠めて抱きしめられているわけじゃないのに。
  精一杯拒めば逃げられるのに。
  もう一人の彼の背中に追いつけるのに。

  なのに無数の鎖で縛り上げられたような重みが襲う。 』



彼女の足を俺の指先が這う。


ブレザーを彼女の気づかぬ間に脱がして、白いブラウスのボタンが真ん中だけ開けた。
そこから僅かに膨らんだ彼女の乳房だけが現されていた。


俺の手が彼女の片方の膨らみの形をゆっくりと変えていく。


スカートが上げられて体内の入り口にあてがわれたのは人のモノ。

それの鼓動はとても速かった。


「…っ…!」

慣れない痛みに彼女が息を呑む。

「野ブタ…我慢、して、ね…?もう少しだから、さ…。」




厭らしい音が夕暮れの空に響く。

いつ誰に見られているか分からなくて不安だった。


だけどこんな危険な場所でも誰にも分からない、神業とも言っていいだろう見事な死角で俺は彼女を犯す。


「……あっ。」


最後に出来るだけの彼女の声が出れば俺も限界を迎える。

本当は外に出すべきなのだろうけど―


だって…彼女の中に残さなきゃ意味ないでしょ?




結局はその日も彼女の体力が許す限り犯した。

でも彼女の中に自分を残したのはたった一度だけ。

残りは全て外に吐き出した。


彼女の綺麗な白い肌のあちこちを飾る跡は自分の体内にあった醜くて白い欲望の液体。

その醜さも彼女は綺麗にしてしまう。


欲望を彼女の唇に押し付けて、自分の舌を中に入れる。


「…んっ…。」

彼女の苦しそうな声が聞こえたら少しだけ呼吸を整わせる時間を与える。

整ったらまた口づける。


「信子…愛してる。」


暗い空に光を照らす月さえも照らせないほどの闇を含んだ笑顔で俺は彼女に愛を伝えた。